紀伊半島は、関西の南部にあたり、本州の太平洋側に突出する大きな半島です。広大な海岸線と、果無山脈や大台ヶ原などの原生林地帯や国に指定された高野龍神・室生赤目青山国定公園や吉野熊野・伊勢志摩国立公園などがあり、雄大な自然に恵まれたところです。
 また、古代には天皇家が湯浴みをされたという南紀白浜、平安時代より皇族、貴族、武士や庶民など多くの人が訪れた熊野三山、真言宗の開祖「空海」ゆかりの高野山、今なお厳しい修験道場の場となっている大峯山系や半島の北東部には伊勢の神宮など多くの歴史文化資源をもつエリアです。
 ここでは、紀伊半島の魅力を『聖地』『街道』『景観』『温泉』という、この地に固有の4つのカテゴリーにわけ、33の見どころとしてご紹介します。
紀伊半島の南部に位置する熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社は「熊野三所権現」と呼ばれ、古くから多くの人々が参詣しました。紀伊半島の北部には、水を支配し鉱物資源を産出する山として崇められたのが吉野の山々や真言密教の総本山「高野山」があり、また、東には、全国の神社を統括する「神宮」が鎮座しています。
京から大阪を通り和歌山へと入った熊野街道は、田辺のあたりから山へと入る「中辺路」と海岸線を通る「大辺路」に分かれています。高野から熊野への最短コースである「小辺路」、修験道の道「大峯奥駆道」など、各地の霊場を結ぶ信仰の道として街道が発展してきました。
「海」「山」「川」。紀伊半島の魅力はその雄大でバラエティに富んだ自然景観にあります。美しい海岸線、自然の浸食によってできた巨岩、奇岩。「木の国」と呼ばれるほど緑深い山々、また、日本一雨量の多い場所として水量豊かな川がえぐる渓谷など、訪れる人をあきさせない自然があります。
旅の楽しみのひとつに挙げられる「温泉」。紀伊半島はこの温泉の多い地域でもあります。これらの温泉は古代から、霊場に向かう人々の”湯垢離”の場でもあり、また、旅の疲れを癒す”癒し”の場でもありました。